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今度は島根県海士町で!第2回「AJINOMOTO GROUP Dialogue for the Future」を開催

こんにちは!
味の素社noteのライター、市岡光子です。
 
みなさんは「つながり」と聞いて、どんなことを思い浮かべますか? 家族や友人とのつながり、地域とのつながり、歴史の連続性、生き物の食物連鎖など、私たちの身の回りにはさまざまな「つながり」があるように思います。
 
今回、そのような多様な「つながり」を体感すべく、味の素グループの20代後半~30代前半の若手従業員が島根県の海士町を訪れました。「ないものはない」と高らかに宣言する自然豊かな島の中で、参加者はどのようなことを感じ、何を考えたのでしょうか。プログラムの様子をレポートします。

1回目の研修の様子はこちら!

AJINOMOTO GROUP Dialogue for the Futureとは?

「ないものはない」島の自然や生活を体感した1日

よく晴れて、あたたかな陽気につつまれた11月中旬。東京からおよそ6時間かけて辿り着いたのは、島根県にある海士町でした。船から降りて目に入ったのは、エメラルドや濃紺に表情を変える海に、島の中央にそびえたつ緑の山々。耳をすませば穏やかな波の音が聞こえ、マスクを外してみると、やわらかな磯の香りもしてきます。私たちはこれから3日間、「ないものはない」とうたうこの島で過ごすのです。

海士町から見た海

1日目はまず、島内の山頂で心と体の緊張感をほぐすワークを行いました。目や耳、鼻、足裏の感覚など、全身で島の自然を体感すると、最初はぎこちなかった参加者にも次第に笑顔が増えていきます。

山での時間

そして、海士町への移住者2名をお招きして、パネルディスカッションを実施しました。海士町の人々が横のつながりや、たまたま得られたご縁を大切に育んで暮らしていることを実感した1時間となりました。

隠岐牛の餌代は毎月1,600万円。生産現場で直面した「持続可能性」

2日目は島の西端にある「風呂屋海水浴場」へ。穏やかな海を前に、島民からこの島の“水”についてレクチャーが行われました。海士町の方々は、島の地下に大量に眠る淡水をくみ上げて生活しています。島の地下水は、火山由来の土で雨水をろ過するという、自然の恵みによって生まれたもの。自然の営みがつながってこそ、島の生活が成り立つことを学びました。

風呂屋海水浴場

そして、ビーチのゴミ拾いへ。プラスチックや発泡スチロールの破片、漁網など、大小さまざまなゴミが大量に落ちていました。これらを手やトングでひとつずつ拾っていきます。ごく小さなゴミは魚が食べ、人体にも入ってしまう可能性があることを実感した参加者たち。「食品のパッケージも、自然に還る容器をつくる」「プラスチックを分解可能な微生物を探す」など、ゴミを減らすための取り組みについて、さまざまなアイデアが飛び交いました。

ビーチいっぱいのプラスチックゴミ
2時間ほど海岸のゴミ拾いを行う参加者

その後、海士町で食の現場の最前線にいる方々の想いにふれるべく、3つのグループに分かれて事業者を訪問しました。隠岐牛を育てる「潮風ファーム」では、場長の安田さんの案内で牛舎を見学。牛の育て方や牛肉のブランディング施策など、いろいろなお話を伺いました。その中では物価高騰による飼料の上昇で赤字に苦しんでいること、苦労して牛を育てても、出荷直前で牛が死んでしまう場合もあることなど、肉牛飼育の課題に関する話題も。

潮風ファームの安田さんと参加者


「餌代だけで毎月1,600万円もかかることに衝撃を受けた。コスト上昇で苦しむ生産者に、味の素社として何ができるかを考えたい」

「私たちが楽しんで食事をしている裏側で、生産者が儲かっていない現状があることにショックを受けた。食品メーカーとして、サステナブル経営を目指すうえでは、私たちにできることを真剣に考えていかなければならない」

「一次生産の現場には、自分が想像していたのとは全く異なる課題があった。これからは会社の外にもしっかりと目を向けて、現場レベルの情報にも敏感になりたい」

このような感想が多数あがり、潮風ファームの訪問は、生産者とメーカーとのつながりについて改めて深く考えた時間となりました。

対話を重ねる参加者と安田さん

海士町と未来の自分に。新たな「つながり」が生まれた3日間

3日目は、今回のプログラムの振り返りを実施しました。プログラムの中で何を体感し、どのように考えたのかを各参加者が改めて言語化していきます。今回のプログラムの内容を未来の自分へとつなぐためにも、自分と向き合う大切な時間です。穏やかな海を前に、参加者たちは真剣に、それぞれの言葉で振り返りました。

参加者同士で対話を重ねる

自身の振り返り内容を全体にシェアする時間では、このような声が聞かれました。

「この島で過ごして、自然と人や、人同士が良い循環を生み出しているのが印象的だった。自分も会社に戻り、人との良いつながりをつくって循環させていきたいなと思う」

「海士町で高校生から事業者まで、さまざまな人とふれあう中で本当の意味でのダイバーシティを実感した。私自身もまずは自分の身の回りから、小さなダイバーシティを増やしていきたい。これからの会社人生が楽しみになった

「改めて、味の素社で食の未来に貢献して、人と社会を豊かにしたいと思った。健康的な食事が多くの人に豊かな人生をもたらし、巡り巡って味の素社の発展にもつながるのではないか。自分の仕事を通じて、サステナビリティにも貢献していきたい

普段の生活ではできないようなプログラムが目白押しだったからこそ、あっという間に過ぎた海士町での3日間。帰路につく船では、海士町でお世話になった方々の見送りがありました。海士町の方々からいただいた「いってらっしゃい」の言葉に、参加者が「また来ます」と返しながら姿が見えなくなるまで手を振っている様子が印象的でした。

紙テープでの見送りに涙する参加者も

今回のプログラムでは、海士町の方々とのご縁を得られたのはもちろん、5年、10年先につながる種まきを行えた時間だったのではないでしょうか。島の自然や生産現場を全身で体感し、自分は味の素社でこのような現場の方々にどんな貢献ができるだろうと、考えを巡らせた参加者たち。将来、このプログラムの経験者から、新しい商品やサービス、組織づくりに携わる方も生まれたとき、味の素社がどのような会社になっているのかとても楽しみに感じました。

第3回ADFは香川と長崎で開催!

第3回のADFは、香川県三豊市と長崎県対馬市で開催します。参加者はどちらかのプログラムを選んで参加します。今回のプログラムだけでも、かなり大きな変化のあった参加者たち。海士町で感じたつながりや、仕事への想いが、この先のプログラムを通じてどのように発展していくのでしょうか。次のプログラムにも大きな期待を寄せたいと思います。
 

執筆:市岡光子
取材・ブックライター/書籍編集者。上智大学を卒業後、大学職員、PR会社、ベンチャー企業の広報職を経て、2021年4月よりフリーライターとして独立。大手出版社や企業のメディアで、インタビュー記事やコラムを中心に執筆中。書籍のライティングや編集も行う。ビジネスからエンタメまで、どんなジャンルも分かりやすくお届けします。

編集:中村洋太


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